Noだんごウィーク














「しおちゃん、おだんご美味しいですね。」
「うん、おだんごおいしい。」

だんごを食べて幸せそうな渚と汐。

「お前らホントにだんご好きだな。」
「はい、私もしおちゃんもおだんご大好きです。」

汐もうん、と頷いた。

(しかしだな・・・)

最近は食べる量が増えてる気がするんだがな。
俺もそんな二人を見るのが嬉しいからいいんだが…

「二人とも飲むもの持ってきてやろうか。」
「じゃあ私はジュースをお願いします。」
「うしおもジュースほしい。」
「二人ともジュースだな、ちょっと待ってろ。」

そういって台所に行ってコップに冷蔵庫にあった
オレンジジュースを注いで運んで行った。

「朋也くん、ありがとうございます。」
「パパありがとう。」

そういって二人ともジュースを飲んだ。
  
「どうだ、おいしいか・・・ん?」

二人とも何だか渋い表情をしている。

「どうしたんだ? ・・・もしかしてジュースが渋かったのか。」
「違いますから。」

そう言いながら
そういって渚のコップをとり飲んでみた。
…別にそんな事はないみたいだ。
じゃあなんなんだあの渋い顔は…

「・・・・・・たい。」
「ん、どうした汐。」
「おくば、いたい。」

汐が辛そうな顔をして言った。

「・・・しおちゃんもですか。私も痛いです。」

そういうと渚も痛そうな顔をした。

「・・・もしかして二人揃って虫歯じゃないのか?」
 


  
とりあえず食べていただんごは片付けた。
二人とも物凄く名残をしそうな顔をしていた。
片付けるのに躊躇しそうになったがそこはギリギリで堪えた。

「あれだけ毎日だんごを食べてればこの結果も仕方ない気がするけどな・・・」

どれだけ食べれば虫歯になるんだよ。
まあ、甘いだんごは甘いんだがな。
しかし普通に食べているなら問題無いんだが…

(何しろこの二人だからな。)

「・・・いたい。」

まだ痛がっている汐。う〜ん、その顔もまたプリティだぞ、マイドーター。

「ハァー、おだんご食べたかったです。」

歯の痛みよりだんご優先の渚。…それでいいのか、我が妻よ。

「とにかく、虫歯だったら早く歯医者に行って治した方がいいな。」
「わかりました。」「うん。」

納得してもらえたようだ。

「というわけで朋也くん、おだんご返してください。」
「パパ、おだんご。」

…前言撤回。分かってない。
ここは一つ強行手段でいくしかないな。この手だけは使いたくはなかったんだが…

「だったら、渚と汐は暫くだんご食べるの禁止だ―――!!」
「「!!!」」

物凄い驚き顔だぞ、お前ら。一瞬今は亡き、名も無い金髪の顔が浮かんだぞ。

「朋也くん、それだけは止めてください。」

必死に言う渚。ちょっと泣きそうだ。

「・・・・・・グズッ」

一方、もう泣く寸前の顔をしている汐。
ちょっと罪悪感が…しかしここは心を鬼にして言わなければ。

「駄目だ。虫歯を何とかするまで禁止だ!」
「嫌です。」「いや。」

うっ、二人が結託しちゃったよ。
ここははったりでも言ってこの同盟を崩さなければ…

「あー、俺は虫歯をちゃんと治そうと努力する子の方が好きなんだけどなー。」
「・・・うしお、がんばってなおるまでがまんする。」
「し、しおちゃん・・・」

同盟あっさりと解消…ふっ、脆いもんだな。
残るは渚だけとなった。さて、どうする…

「ううっ、しおちゃんも敵に回ってしまってどうすれば・・・」
「いや、虫歯治せばいいじゃないかよ。」

治す気無いのか、渚。

「分かりました・・・私も治す努力をします。だんごを我慢します。」
「よし、頑張れよ二人とも。」
「わかりました。」「わかった。」
  


  
次の日…(1日目)
とりあえず歯医者に行った。
一週間あれば治るそうだ。
つまり一週間我慢すればいいのだ。
れくらいなら何とかなるかな…
  


  
「・・・おだんご食べたいです。」
「・・・ぱぱ、おだんご。」

次の日にはこれだった。

「朋也くん〜。」「ぱぱ〜。」
「・・・お前らもう少し我慢しろよ。
まだ1日しか経ってないぞ。」
「「だって〜。」」

…先行き不安だな。
  
  

  
二日後…(3日目)
「・・・おだんご、・・・おだんご。」
「・・・おだんご・・・おだんご。」

それ以外はあまり話さなくなってきた。
しかもどっちがどっちかもう分からない。
おそらく書いた本人も分かってないだろう。

「・・・何か一種の中毒患者みたいだな。」

だんごに麻薬成分って無いよな?
大丈夫なのか、こいつら。
ちなみに本日は歯医者へ行った。
  
  

  
さらに二日後…(五日目)

「よう、杏。」

杏に偶然遭遇した。

「よう・・・じゃないわよ朋也。
汐ちゃんどうしたのよ。」
「・・・汐がどうかしたのか?」

何か嫌な予感がするんだが…

「何かここ2,3日ダークなのよ、とっても。
しゃべる言葉もほとんどが『おだんご』だし。」

幼稚園でもそうなんですか。
こいつは想像以上の重症だな…

「ああ、大丈夫だ。あと2、3日したら元に戻るから。」
「そう・・・親のアンタがそういうならそれを信用するわ。」

この日も歯医者へ行った。
次でオッケーらしい。
早めに対処してよかった。
渚と汐の様子は…
もう言う必要も無いよな。
  
  

  
次の日(六日目)

「ちょっと朋也!」

またまた杏に遭遇した。

「何だよ杏。今日の俺は疲れてさっさと家に帰りたいんだが・・・」
「今日の汐ちゃん、さらに大変だったのよ。」
「・・・・・・今日はどうだったんだ。」

もういい加減慣れてきたぞ。

「いきなり『ケエエェェーーーッ!!』って奇声上げたのよ。
他の子が怖がっちゃったじゃないのよ。」
「・・・そこまでいったか」

これは予想以上の状態だな。

「思わず金髪の頭のやつ、ええっと・・・
とにかくそいつが思い出しちゃったじゃないの。」

ああ、そんなやつも居たな。
確か……まあ、思い出す必要も無いか…

「しかも、迎えに来た渚もおかしかったわよ。」
「・・・・・・」

もはや何も言うまい。

「一体何であんな風になってるのよ。」
「ああ、実は・・・」


  
杏に簡潔に説明した。

「そういうことだったのね。」
「ああ、一応明日、歯医者に行けば直るからな・・・
そうすれば大丈夫だって。」
「そう・・・ここ数日の汐ちゃんの扱いには
ホントに困ってたからね。」

杏ははぁ、とため息を尽いた。
そこまで凄かったのか…

「そうか・・・ホントにすまないな。」
  

  
「ただいまー!」

やっぱり家は落ち着くな〜。
・・・・・・
ん? いつもならここで返事が返って来るんだが…
出かけてるのか? でも靴はあるし…
中に入って居間を入っていくと…

  
「うふふっふっふ。」
「うふふっふふううふふ。」

  
「・・・・・・・・・」

こえーーーーーっ!!
もはや廃人間近と言ってもいい渚と汐。
だんごパワーはもう空っぽらしい。
と自分で言ってみたがどんなパワーだよ!?
つーかどっちがどっちか完全に不明。
どっちにしても汐がこんな風に笑ってると怖すぎだ。

「頑張るんだ! 渚、汐。明日までの辛抱だ。」

ちなみにその声も届いてなさそうだ。
  
  

  
次の日…
無事虫歯の治療は完了した。

「やっと治してもらったな。」
「「・・・・・・」」

もはや会話も出来ない二人。
つーかなんで普通に飯は食べてるのにちょっと痩せてんだ?

「これでようやくだんごが食べれるな。」
「「おだんご!!」」

もはや『だんご』という言葉にしか反応しないようだ。
というかだんごという単語にだけに異様な速さで反応するな。
  

  
家に帰った途端、

「ぱぱ、おだんご。」

いきなり復活。さっきまでの死にそうな顔は何処にやら。
というか第一声がそれか、我が娘よ。
まあ、分からんでもないんだが…

「だんごもいいけど帰ったら手洗えよ、汐。」
「うん、わかった。」

洗面所に走っていった。

「でも、冷蔵庫には無かったはずですけど…」
「ああ、実は昨日買ってきて隠しておいたんだ。」
「酷いです、朋也くん。」
「あのな〜、冷蔵庫なんかに入れておくと
食べかねないから隠しておいたんだよ。」
「そうですよね・・・」

つーかよく考えたら渚も復活してるよ。
あんたら実はさっきまで死んだ振りしてたんじゃないんでしょうね。

「ぱぱ〜、おててあらってきたよ。」
「よし・・・じゃあおだんご食べるか。」
「そうですね。」

そういって居間に行こうとすると、

「・・・・・・」

何故か汐が立ちはだかった。

「汐、そこに居ると居間にいけないんだが・・・」
「どうしたんですか、しおちゃん。」
「・・・ぱぱもままもおててあらってない。」

む、我が娘ながらそこに気づいたか。

「・・・そうだったな。
渚、手洗いに行くぞ。汐、ちょっと待ってろよ。」
「わかった、ぱぱ。」

そういって汐は先に居間に行った。
  

  
「しおちゃんに注意されてしまいました。」

ちょっと照れながら言う渚。

「汐に注意されるなんて・・・親失格だな。」
「しおちゃんは思ってるよりしっかりしてるんですよ。」
「そうだな。俺達もしっかりしないとな。」
「そうですね。」

ここで疑問に思っていたことを聞いてみた。

「なあ、渚。」
「何ですか、朋也くん。」
「渚も汐もさっきまであんなに死にそうな感じだったのに
何で今はそんなに元気なんだ?」

渚の答えは意外なものだった。

「え、私達そんな顔をしてましたか。
あんまり記憶にないんですけど・・・」
「・・・そうか」

どうやら渚にとってはここ数日のことは
黒歴史として処理されているようだ。
おそらく汐もそうなんだろう。
まあ、知らないほうが幸せなこともあるだろうから
俺も無かったことにしておこう。
  

  
居間に行くと汐が待っていた。

「ぱぱ、おだんごは?」
「ちょっと待ってろよ。」

そういって俺は台所に隠してあっただんごを取り出した。

「そんなところに隠してあったんですか。」

そこは渚じゃなかなか見えないところだった。

「ああ、ここなら見えないし
万一見つけても取りづらいだろうからな。」

そういいながら居間にいって、

「ほら、ちゃんと虫歯直したからな、食べてもいいぞ。」

それを聞くと汐が先にとってその後、渚がとった。

「・・・…とってもおいしい。」
「おいしいです。」

一週間食べるな! とは言ったけれども
俺もやっぱり好きなだんごをやめさせるのは嫌だったからな。

「これからは虫歯にならないように気をつけるんだぞ、二人とも。」
「うん。」
「はい。」

そういいながら俺が買ってきただんごを食べる二人。

「やっぱり幸せそうな顔してるな〜。」
「何か言いましたか、朋也くん。」
「いや、何でもない。」
「でも、何だか朋也くん、楽しそうな顔してますよ。」
「そうか・・・まあ、確かに楽しいからな。」
「でも朋也くん、別に何もしていませんよ。」
「渚たちを見ているだけで楽しいし、幸せだぞ。」
「私も朋也くんやしおちゃんと居るだけで幸せです。」
「うしおもしあわせ。」














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朋也「この文は酷くないか?」
汐「まとまってない。」
朋也「というか渚と汐のキャラを壊すな―――!!
  汐があんな風に叫ぶはず無い!
  渚や汐があんな風に怖い笑い方するはずが無い。」
渚「朋也くん、こんな置手紙が…」
『後頼む、あとゴメンチャイ♪ _| ̄|○ by TK』
朋也「謝る気無いだろ…」
渚「多分まとめるのが苦手なんですよ。」
汐「ぱぱとおなじだめにんげん?」
朋也「こんな作者と同じにするんじゃね――――!!
  …誰がそんなこと言ってたんだ汐。」
汐「きょうせんせいがいってた。」
朋也「あのやろう…」
渚「落ち着いてください、朋也くん。」
朋也「そうだったな…
  とりあえず作者には汐に謝罪してもらわないとな…」
渚「私は…」
朋也「まて渚。ちゃんとお前の分も…」
渚「謝罪してもらう必要も無いんですね―――――――――っ!!」
朋也「何で後書きで走らないといけないんだよ…
  俺は謝罪しまくるぞ――――――――――っ!!」
汐「ぱぱたちいっちゃった。」
TK「ふ〜っ。」
汐「あ、だめにんげんさんだ。」
TK「駄目人間言わないでー!」
汐「だってきょうせんせいがいってた。」
TK「…どうせ私は短編が上手に書けない駄目野郎ですよ〜」
汐「…ぱぱこんなくずにんげんじゃない。」
TK「ガ〜ン。何処でそんな言葉を…」
汐「それもきょうせんせい。」
 
杏「何かめちゃくちゃね。
 ということで、又次に会いましょう。」



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