「うっ……」
目を開けると、視界には白い天井と
「大丈夫ですか?貴明さん」
「貴明、大丈夫!?」
心配そうな顔をしている珊瑚ちゃんとイルファさんがいた。
「珊瑚ちゃん、あれ!?、なんでイルファさんがここに居るの?俺は学校で気絶したはずなのに」
「えっとなぁ、昼休みに貴明が気絶してもうたから、ウチの家に連れてきたんや〜。
もちろん、先生には許可とったで〜」
「そ、そうなんだ。あれ!?、瑠璃ちゃんは?」
「瑠璃様でしたら、お買物に行っていますよ」
「イルファさんは瑠璃ちゃんと一緒にお買物に行かないの?」
「はい、瑠璃様に私がお買物に行きますって言いましたけど、瑠璃様は
『一人で十分や!イルファはさんちゃんと一緒に貴明の看病せえ!』
と言っていました。」
あ〜〜、多分瑠璃ちゃん、俺から逃げてるな。
「なぁなぁ貴明、大丈夫やったんなら、ゲームしよ〜☆。すんごい恐いホラーゲームやねん。」
「珊瑚様、ゲームでしたら私がお相手しますが」
「ウチ、貴明とやりたい」
珊瑚ちゃんに却下されるイルファさん。
「あー、じゃあ、瑠璃ちゃんが帰ってくるまでやろうかな」
俺がそう言うと、珊瑚ちゃんはトロトロの笑みを浮かべる。
「やた〜〜!貴明と一緒にゲームや〜」
「ねぇイルファさん、珊瑚ちゃんの笑みを見るとこっちまで、嬉しくならない?」
俺がイルファさんにそう聞くとイルファさんは頷きながら言った。
「はい、私もそう思います。
珊瑚様、瑠璃様が嬉しそうにしていただけるのを見ているだけでも、私は幸せです」
「うん、そうだねイルファさん」
「貴明早く早く〜〜」
珊瑚ちゃんがコントローラーを振りながら、俺を呼んでいた。
「わかった、今いくよ珊瑚ちゃん」
「ほな、いくで〜〜貴明」
「おう!」
「二人とも頑張って下さいね」
「了解や〜〜〜☆」
俺達三人は瑠璃ちゃんが帰ってくるまで、ゲームをしながら待つことにした。
その頃……。
「さてと、これで材料は揃ったな。」
貴明の看病をさんちゃんとイルファに任してる間にウチは夕食の材料を買っている。
「それにしても・・貴明大丈夫かな!?」
ウチは家に帰る途中に貴明のことを考えながら歩いていた。
「でも、貴明はきっと大丈夫やな!」
ウチはそう思いながら、ゲームセンターの前を通り過ぎようとしたときだった。
「ねぇ、彼女。悪いんだけどさぁ、僕に金貸してくれないかな?」
……なんか、不愉快な内容の声が横から聞こえたなぁ。
なんやろ?そう思いながら、ウチはその姿を確認する。
「頼むよ、今日財布忘れたんだよ。」
「えっと……、どのくらい出せばいいんですか?」
相手は一人で頭が金髪やな。
対する、両側の髪にピンク色の髪止めを着けている少女は……ん!?
「あの女の子、もしかして」
もしかしてこのみか!!?間違いない、
此処らへんでピンク色の髪止めしてるのはこのみしかいらへんわ。
って、早よ助けへんと、このみが危ないやんか!!
「お、貸してくれるの?じゃあ千円ぐらいでいいよ。」
そう言って金髪の手がこのみの肩に近づく。
「な!このみになにしようとしてるんやあの金髪は!」
ウチが手に持っていた荷物を地面に置いて、金髪に向かって走り出そうとした時だった。
「なにをしている春原!!」
「てりゃぁ!!」
突然、長い銀髪の女の人が金髪に蹴りを食らわせる。強烈やな
「へぶぅ!」
おまけに、
ヒュン!
バキィ!
「おぶぅ!」
金髪の顔面に辞書が直撃する。なんで辞書が飛んでくるんや?
「「春〜原〜!!(陽〜平〜)お前はなにをしているのだ!(あんたはなにをしてんのよ!!)」」
ただ今、ヘタレが超ボコボコにされています。
しばらくお待ち下さい……。
「大丈夫やったかこのみ!?」
ウチは先にこのみの所に走る。
「う、うん。」
よかった〜、このみは無事みたいやな。とりあえず一安心やな。
「では、私達もこれで失礼する。」
「あ、あの!名前を教えて下さい。」
このみがそう言うと、その人はこう答えた。
「私か・・坂上智代だ。では、さらばだ。」
「私は藤林杏よ。またねお二人とも。」
そう言い残して、走り去っていく彼女ら。
(ヘタレ?を引きずりながら)
「う〜〜ん、とりあえず、このみが無事でよかったで。」
「う、うん。」
その後、ウチはこのみと別れて、家に向かうことにしたんやけど、すっかり遅くなってもうた。
皆怒ってなきゃええけど。
おまけ
「あ〜貴明がゾンビに食われたもうた。」
「あの〜〜、珊瑚ちゃん、このキャラを貴明って言うのやめてくんない?
本当に俺が食われたみたいで嫌だ」
「でも、使ってるのは貴明やで」
「まあ〜、確かにそうだけどね」
「だったらええやん☆」
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